「宿泊予約サイトの新星〜急成長の軌跡〜」
AsiaYo Head of Japan 内海 玄さん

2017.06.12 民泊大学 Minpaku University

原文出處:https://minpaku-univ.com/interview/3609/

「民泊大学」の講義が始まります。今回の教授は「AsiaYo」Head of Japanの内海玄さんです。

AsiaYoは2013年に台湾でスタートした宿泊予約サイトです。2016年5月より日本にて本格的にサービスを開始したのち、2017年には韓国とタイにおいてもサービス開始するという急速なスピードで事業展開を行われています。

サイトURL: https://asiayo.com

内海さんは、Head of JapanとしてAsiaYoのサービスを日本で展開すべく戦略の統括をしておられます。
今回は、AsiaYoの日本支社の立ち上げから今後の展望までのお話を伺いました。

現在の状況は?

現在の登録物件数は台湾で約1万2000件、日本で2000件以上、韓国とタイでそれぞれ数百件ずつとなっています。 なお、ユーザーの状況としては台湾で80%、香港15%、残りはその他という構成です。

台湾での急成長の背景は?

台湾では民泊予約のプラットフォームという市場に強豪がいなかったということが一つ大きな理由です。
実は台湾も日本同様、民泊に関する法整備はこれからなのですが、その中でも台湾では民宿(台湾ではこう呼ばれています)というものがかなり昔から農家や漁師の副収入として一部合法的に認められていました。(民宿協会のような団体が存在するぐらい)
ですのである程度、民泊については基盤があったことからホストの発掘が比較的容易だったいう点も急成長に大きく寄与していると思います。

内海さんがAsiaYoに加わった経緯は?

私の友人の友人がAsiaYoの創業者で台湾人の方です。縁があって創業者と話をしていたら日本での展開もしていきたいということで、たまたまフィットして参加しました。今は日本は一人で統括しています。

日本でどのようにサービス展開を行った?

実際に動き始めたのは2016年の1月からなのですが、最初はウェブ検索でヒットした運用代行業者さんで比較的しっかりとした運営をしていそうなところに手当たり次第にアクセスしました。
他の会社に比べて後発ということもあり、当然業者さんはAirbnb、Agoda、HomeAwayなど既にプラットフォームは利用されていました。
なので、とにかくその当時ウェブ上で発見した代行業者さん100社以上のうち、スクリーニングをした上で、そのうちの4割くらいの業者さんに電話をしたり、時には地方にも足を運んで実際にお話をして開拓しました。

どのような方が利用されていますか?

弊社はクオリティ重視のプラットフォームですので、宿泊施設のクオリティを担保するため、しっかりとした宿泊施設の運営をされている方を中心にご利用いただくようにしております。日本でも後発ですし、それほどマーケティング活動を行っていないため、Airbnb、Agoda、HomeAwayなど他社プラットフォームも利用された上でAsiaYoもお選び頂いている方が多いです。
また、台湾人のゲストは親日なので平均的に良質な客層であるというイメージがあることから安心してご利用頂いているケースが多いです。

苦労されていることは?

そもそも弊社に辿り着いたホストさんは情報収集をした末に弊社に掲載を頂いているので、リテラシーは比較的高い方々なのですが、稀に、ゲストさんから将来的な予約が入っているのにも関わらず突然クローズしてしまったというはケースがあり非常に困ります。
また、何かトラブルが起こった時のホストさんの対応は社内で共有してしっかりと見ています。
一度目は様子を見ますが、次回からはホストさんの対応を見て警告、削除、降格などそれに準じた処置を行っています。
もちろん逆もあって、素晴らしい対応をしておられるホストさんにはゲストさんにも喜んでいただけると思うので優遇させて頂いております。

利用者の多いエリアは?

大阪がダントツで多いですね。その次に東京なのですが、最近は意外にも福岡が増えてきています。 もちろん、京都、北海道、沖縄なども人気ですが、まだまだ魅力的な宿泊施設数が少ないので、今年もっと伸びていくだろうと思います。
大阪にはすでに魅力的な物件がたくさんあるということと、台湾人から大人気の観光地ということから多くの方が大阪の物件を利用しています。

ゲストの利用人数や目的、特徴は?

ゲストはだいたい平均すると3〜4人で、家族や友人と旅行目的で利用するケースが多いです。
なので利用されている物件もワンルームというよりは複数部屋のある物件がよく利用されている印象です。
また、特徴としてはAsiaYoの客層はバリュー層の利用が多いので、高額な物件の掲載は比較的少ないですし、あまり利用されていない傾向にあります。

Airbnbとの違いは?

台湾版Airbnbと言われ、よく比較されがちですが、実は着想はAirbnbさんとは少し違います。
冒頭で述べたように、AsiaYoは元々台湾人同士が国内で宿泊する「民宿」のようなところから始まっていますので、CtoCというよりはむしろBtoCに近い感じです。

他プラットフォームとのサービス面での違いは?

第一にAsiaYoではカスタマー重視でサービスを行っておりまして、ゲストとホスト間のコミュニケーションサポートを手厚く行っております。
Airbnbを利用するゲストは大抵英語でのやり取りができるので比較的容易かと思いますが、AsiaYoでは中国系のゲストが多いためコミュニケーションに苦戦されるかと思います。
そこで、ハウスマニュアルの翻訳、部屋の掲載の翻訳、チェックインまでのサポート、さらにはチェックイン後のサポートまで行っているのはおそらくうちだけではないかと思います。
全てをサポートするというのは難しいですが、できる限りのことは行っていき、とにかくゲストの満足度を上げていくことに注力しています。

他社は地方創生など交えながら様々な展開を図っているが、御社は何か策を考えているのか?

現状は大きなプロジェクトは考えておりませんが、インバウンドに関連する様々な企業と提携の話はさせていただいておりますので、そうしたパートナーシップを通じて、インバウンド全体に貢献ができればと考えております。
それも短絡的な協業ではなく、長期的な目線を持っておられる企業と提携を行なって、ゲストさん、宿泊施設、日本の各都市や地方にとって有益なサービス提供をしていきたいと思っています。

あったらいいと思うサービスは?

LCC夜中到着のトラブル、アーリーチェックイン、レイトチェックアウト、そのような事に対して24時間サポートできるサービスはもっと拡充していけばすごくいいと思います。その他にもスマートロック、レンタカーのパッケージなどはもっと増えていくといいと思っています。

民泊新法に対してどう考えていますか?

正直なところ、施行の詳細がわからないので今はまだ注意深く見守っている段階です。
ただ、中・長期の目線ではポジティブだと思っています。
短期的には民泊新法対応コストと180日ルールによる短期的売上下落が想定されますが、そもそもまだ弊社は規模が小さいのと、幸いにも現在お付き合いのあるホストさんは簡易宿所を保有している物件や特区民泊物件も多いようですので意外と大丈夫なのではないかと思っています。 中・長期的には民泊新法の施行により整備が行われ、民泊事業がクリアになることで大手企業の参入が期待できます。それによりしっかりした運用者が増えることが予想され、より良い環境でサービス提供ができる事になると思うので、それは非常に楽しみにしています。

日本での物件登録目標は?

現状約2000件の登録件数なのですが、年内で4000〜5000件の物件登録数を想定しています。 またその中には、ホテルや旅館・ゲストハウスなどの登録も出てきていますし、今後も増えていくと予想されます。
ただ、闇雲に登録件数を増やして、宿泊施設全体のクオリティを下げたくはないですし、ゲストの数に対して物件数の割合が多すぎた場合は、ホスト(運用代行業者)の掲載した物件に予約が入りにくくなるという事態になりかねないので、そこはしっかりとバランスを保ちながら顧客・ホスト双方の満足度を向上できるサービス提供を行っていきます。